ZOXのTRIKE化 フゥさんの試乗レポート

試乗時の条件
 タイア:3輪全てシュワルベ・ステルビオ
 タイア空気圧:100Psi(気温7度時)
 リアハブ:メーカー指定に対し左右反対の取り付け


試乗場所
(1)片側1車線の車道(中央が蒲鉾状に盛り上がり端に向かって傾斜した構造)
(2)川沿いのサイクリングロード(路面は平坦だが、整備状態が悪く凸凹が多い)
(3)海岸の堤防沿いのアスファルト道路(路面は平坦で、凸凹が少ない)


走行性の確認

1)走行抵抗
 3輪化による走行抵抗の増大が懸念されましたが、後輪のトーインがゼロの為か2輪時と大差が無いと感じました。

2)直進性
 ペダリングしない状態では、ハンドルから手を離しても、路面がフラットであればまっすぐ走ります。しかし、ペダリングするとFFの特性でしょうか、右に曲がっていきます。2輪時では手を離すことが出来ませんでしたので、直進のペダリング中は常に左にハンドルを方向修正していたのかもしれません。

3)走行中ハンドルを左右に小刻みに切った場合
 速度15km程度でやってみましたが、後輪の片輪が簡単に浮いてしまいます。

4)ハンドルの振動
 Satoさんの機体で発生するというハンドルの振動は、結局どのような路面状況でも速度でも発生は確認できませんでした。ただ、試乗時に1回だけ後輪の片側が路面の凸部に乗り上げた時にハンドルに大きな振動が発生したことがありました。その後、同じ状態を再現しようとしましたが、確認できませんでした。

5)速度による車体状況
 ペダリングして速度が25kmを越えたあたりから、車体全体が左右に揺れる症状が出ました。ペダリングを止めると発生しませんので、ペダリング時の身体の揺れが増幅されて車体に伝わったのではないかと思われます。しかし、ペダリングしながら速度が30km位になると揺れが収まりました。原因は分かりません。

6)路面の傾斜に対する状況
 試乗場所の(1)片側1車線の車道では、路面が左に傾斜していますので、常に左に倒れ込むような感覚になります。上半身を右に倒しても、同じ場所をLOGOトライクで走った際には、そこまで強く感じることはありませんでしたので、重心位置が高いためかと思われます。特に傾斜が大きい場所では倒れそうになったことが数回あり、常に路面の左右方向の傾斜に気を付けなければならない状態でした。

7)車体の剛性感
 いわゆるしっかり感というのでしょうか、リジットのMTBを持った時のような感覚が無く、停車時に車体を揺すると車体がリア周りを中心にわなわなする感じがします。原因としては、ハブのがたつき、前後のフレームを接続する部分のがたつき(左右は2本のクイックで固定していますが、上下方向に僅かな隙間があります。)の相乗効果が考えられます。


後輪ブレーキの評価
 前回の試乗結果からハブを左右入れ替えて取り付けて、検証しました。

1)ブレーキの効き具合
 平地で後輪ブレーキだけで制動させることはできますが、前輪Vブレーキより制動距離が伸びますし、停止直前にブレーキシューからキーという音が発生しました。

2)坂道での制動性能
 後輪ブレーキだけでは止まりません。もともとこのような使用を前提とはしていないので、仕方がないことと思います。
 結果として、平坦路、坂道を問わず、前ブレーキを主として、後ブレーキは補助とする使い方をするほかないと思われます。

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