前フリ


倉庫にはこんなもんがあります。
50x50mmの角パイプをT字に組み、角パイプ端面付近に両端面にt2mmの円盤を貼り付け(溶接)た1-1/4inchの丸パイプを通してます。丸パイプの中心には8mm長ボルトが通ってます。

丸パイプの長さは100mmジャスト。
ノギスをみればわかりますが、誤差は1/10mm以下。

突き出しは正確に25mm。

もう一つ、T字の角パイプ部はまったく同じですが、丸パイプ長135mmバージョンもあります。
ノギスをみればわかりますが、これも誤差1/10mm以内。

もう一つけったいなモノがあります。
以上3点でワンセットとなります。

こうやって使います。
フロントエンド〜BBシェル〜リアエンドを一直線で固定する治具です。
Qシリーズ製作終了後、「やっぱ丸パイプフレーム市販車の切った貼ったをやるなら、それなりの汎用治具を使うほうが楽だな」と思い、上記三点ガガっと作りました。2年弱前かな?
しかし、せっかく作ったにもかかわらず、その後使う機会がまったく訪れず、つい先日まで倉庫の片隅の箱に投げ込まれ埃をかぶってました。
しかし、やっとこさ使う機会が訪れる予定となり、埃を落としました(一応油塗りたくって保管していたので錆びは無い)。いやいや、捨てないでよかった。





治具とは関係ありませんが。このJEDIのフレームを覚えている(知っている)人は少ないとみた。

BBシェルにはまっているのは、Qシリーズ元車両から取り外したBBワンです。
右ワンは特殊工具が必要な特殊形状なので、M16のステンレスナットを溶接しモンキースパナで取り外します。そのナットがそのままついてます。











いわゆる「カップアンドコーン」式(で良いのかな?)なので、左ワンにもフランジがあります。こっちは最初からモンキースパナで取り外しが可能な形状だったので、デフォのままです。

ただしこの治具はあくまでも「簡易的」な物で、一から組み立てるのであればここに載ってるような治具が必要でしょう。
Qシリーズはバラバラのパイプを組み上げてフレームを作ったのではなく、メインフレームを真っ二つに切断し、折り畳み部分を除去した上で接合する程度なので、写真上赤丸のある3点だけを押さえときゃ、まぁそんなに狂いは出ないだろうと考えました。切断前にいろいろ小細工(詳細カット)も加えますし。







しかし、パイプばらばらの一から組み上げであれば、緑の丸で示した4点(フロントフォーク製作は別途になるのでここでは無視)ヘッドシェル/シートチューブ/BB/リアエンドをしっかり固定(治具自体の強度ももっと必要だろうな)しないと精度(いわゆる「フレームの芯」)は出せないと思います。


撮影用のセッティングなので横方向しか固定(黄色の柄のヤツで)していませんが、実際の作業時には縦方向もきっちりクランプします。角パイプは中空なので、クランプで締め上げると簡単に潰れてしまいますから、何箇所かつっかえ棒を入れてます。
赤い矢印で示した棒がそれ。緑の矢印で指し示した部分に補強の棒を突っ込んであります。片側2本の計4本縦方向に補強が入ってます。
治具を作るための治具」を作るのはバカらしいので、50mm角パイプのT字組み上げは、最低限の溶接しかしてません。青い矢印で指し示した角4箇所をちゃちゃっと溶接しただけ。
これ以上の長さ溶接するためには「治具を作るための治具」を作る必要があります。じゃないとあっさり曲がって使い物にならなくなる。念のため書き添えますが、ある程度の距離をTIGで溶接すれば、誰がどうやっても必ず曲がります。そういうものです。