ZOXのTRIKE化作業 その09


延々エンド製作の画を載せておるのですが、「そんなに悩むようなもんか?」と疑問を抱かれる方がいらっしゃるかもしれません。私は私で「このシリーズをマジメに読んでいる人がいるのか?」という疑問を抱いておりますが。
ではなく。
元々丸パイプ製のフレームに取り付けることが前提のハブに、金をかけたくない一心で手持ちの角パイプ使おうとしている。のが問題の核心です。
左の画の通り、丸パイプだったら1-1/4inchでもハブ背面に突き出した袋ナットに干渉しないんですが、角パイプの場合、手持ちの40角より二回り小さい30mm角でも干渉してしまうのです。

「いや、角パイプを45度回転させれば袋ナットに干渉しないのでは?」思う人もいるでしょうが、画の通り40x40mmはやっぱ無理。30x30mmだったらいけますが、たった800mmのために定尺5,500mmのパイプを買うのは無駄、ついでに買いに行くのも面倒なので却下。

赤い線がエンドが接する面ですが、ご覧の通り袋ナットがそれ以上の高さに突き出してます。
もちろん製造元が想定した丸パイプフレームに取り付けるんであれば、袋ナットが邪魔になったりしません。あくまでも、私がフレームに角パイプを使おうとしているのが問題なんです。
40x40mmの角パイプフレームへの取り付けを前提とした設計の、ドラムブレーキ内蔵片持ちハブがあれば便利なんですけどねぇ。そんなモンあるわけないですし。

ということで、袋ナットとの干渉を避けるため、エンド先端10mmぐらいは丸パイプ(六角形でも八角形でもOKだが、丸が一番入手し易い)にしなきゃならんのです。緑の部分が角パイプ、赤い部分が丸パイプにならなきゃならん。
フラットバーで作ったエンドに丸パイプを溶接せずとも、外径30mmの内径18mmの高さ10mm程度のカラーを作って挟んでもOKなんですが、旋盤なんか持ってないんで現実的ではありません。外注すりゃなんでもできますけどね、それやっちゃ面白くない。あくまでも、手持ちの設備で製作可能な構造を考えるから楽しいのです。それ以上は仕事の領域だ。
自作で厄介なのは、加工そのものではなく「既成部品の寸法取り」です。図面が手に入るんだったら悩みませんが、こういうハブとか、今回だったらリアエンドの穴位置(アクスル通る穴とダボ穴の位置関係)だとかを簡単に正確に計測する術が、まぁ普通はありません。当然、私にもありません。なので、あれやこれやと試行錯誤の連続です。そこらへんを楽しめないと、こういうのは出来ないし続かない。と思います。

つーことで、こんな形になりました。
ハブ背面の出っ張りとの干渉を避け、尚且つ手持ちの設備とホームセンターで入手可能な材料で製作できる、そこそこ良い感じの構造だと自負してます。誰がなんと思うとも。

エンドが長方形なので、ブレーキ部との干渉を避けられる高さになりました。
リアランスは2mm程度です。

先日、小十郎さんからツッコミが入った回り止めの部分も、より望ましい形に。

こんな形で取り付けられます。
緑がフレームの角パイプ、青が補強板。赤い線が溶接部分。