トランジット・コンパクトの修理 その4


フレームをセットします。
治具の下に50x26mmの角パイプ(長さ850mm)を2枚重ねて敷き、台代わりにしてます。
完全にバラバラの状態からパイプを組み上げフレームを作ったpython delta製作時は100mm角の角パイプを置き台に使いましたが、今回は破断の修理+補強材取りつけ程度なので、そこまで頑丈なパイプは使わなくても大丈夫じゃないかと。

定盤に載せるの図。
特に問題なくセットできたので、フレームの芯(水平方向)は狂ってない(破断に伴う垂直方向の曲がりはあるが、走行安定度を低下させるレベルではないので無視)と思います。まぁ、たまたま「治具の狂いとフレームの狂いが同じだった」という可能性も無くはありませんが、そんな偶然はなかなか起こり得ないので考えないでもOKかと。

外側からも、なるべく広い面積で押さえられるよう、直径25mmx板厚2mmのワッシャを入れてます。押えの面積は広ければ広いほど良い。

リアエンドにもφ25mmの押えワッシャを入れました。

とりあえず裂けた部分を溶接しました。
溶接はTIGです。直流のパルス付きTIG溶接機でやってます。直流機なので非鉄金属の溶接はできません。アルミとか非鉄金属をTIGで溶接する場合は交流機を使わねばなりません。しかし、私はアルミという素材が大嫌いなので交流機を買うつもりはありません。
一口に「電気溶接」といっても、ホームセンターで1万円程度で販売されているアーク溶接機とは全然別物なので、そこらへん混同しないようお願いします。アーク溶接機じゃ薄物はできんし、接合強度も全然違います。自転車のフレームやんならパルス付き(無しはけっこう安い。大陸製の新品が10万円ぐらいで買えるんじゃない?)のTIGですよ。

溶接箇所によっては丸ごとひっくり返したり。

BBシェルの固定時にワンの入りが渋かったので

タップでねじ山さらってみました。
無垢のパイプにネジ山たてるとかじゃないんで、一軸じゃなくてもかまいません。

けっこうそれなりに削りカスがでました。

削る前と削った後で見た目はそんなに変わらないんですが、ワンの入りは明らかに良くなりました。工具無しでするするっと奥まで入ります。
溶接で歪みがでる可能性、は殆ど無いけど、念のため最後の最後にもう一回タップでねじ山さらいます。