トランジット・コンパクトの修理 その6


では、ステーをぐるっと溶接すればもう二度とフレームパイプの破断を心配しないで済むかというと、破断を引き起こした原因"過荷重"はまったく解消されていないので、ステーによる補強範囲外で破断が起こる可能性は残ります。
今回の破断は点付け溶接部の直前で起こったので、次の破断も似たような箇所、補強部分の(フレーム前後方向で)直前で起こる可能性は捨て切れません。
特に青の矢印で指し示した黒線の部分、溶接に沿って亀裂が走るor溶接部の(フレーム前後方向で)直前で破断が起こり得る。いや、「必ず割れる」ってんじゃなく、「可能性がある」という意味ですよ。念のため。

ということで、次に割れそうな部分に補強を入れる事にしました。
フレームパイプ下面に沿ってくっついている「青い半円形のなにか」が補強材です。これを溶接することで、ステーとフレームパイプの溶接部に沿って起こり得る破断を防止しようかと。

実際につけました。赤い矢印で指し示した「カマボコ」みたいなモノが補強材です。
ただし、ここ補強したからフレーム破断は二度と起こらないかというと(今回と同じ部分は二度と破断しないと思うが)そうでもなく、過荷重を解消しない限りは補強より前方で破断が起こる可能性は、まぁ、あります。でも、それを突き詰めていけばフレーム全体に補強を入れなきゃならなりません。
完全を目指すのであれば、↑のような対症療法的対応より、この画像掲示板の7月10日付けの投稿、この写真のような、原因を取り除くラディカル(根源的)な改造を施すべきなんでしょう。
自分のモノじゃないので、そこまで思い切った改造はできんけど。

(上下方向)センターに2つ穴が開いてますが、平行に取り付けるための長ネジを通す穴で、運用時にここに何かを取り付けるためではありません。別にただの補強なんで、曲がってようがずれてようがとにかくくっついていりゃ用は成すんですが、まぁ一応、揃ってたほうが見た目良いので、無駄に気を配ってみました。

補強も入れ終わったので、請け負った作業はすべて終了しました。

フレーム前方斜め上から眺めるの図。特に曲がってるとか歪んでいるとか、そういう風には見えません。いや、「見えない」だけじゃなく、実際に曲がっても歪んでもないんです。

いまさらですが、フレーム素材は鉄です。磁石がちゃんとくっついて落ちません。

では計量します。

1,700gジャストです。
塗装を剥いだ状態では1,650gだったので、追加溶接で流し込んだ溶加棒と補強材による重量増は50gってことです。
参考までに、50gってのはアルミ製のボトルケージぐらいの重さです。ついでに書けば単三電池が2本で約50gです。